Alpine A110 1600S
20cm x 11cm
 
illustration 6 top
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アルピーヌはレースのために造られたといっても過言ではないでしょう。ルノーディーラーの息子、ジャン・レデレ(Jean Redele)が戦後ドイツ軍に接収されて引退していた父の会社の跡地を借り受け、当時大学に通いながらルノー・ディラーの経営を始めました。レデレ自身ミッレ・ミリア等のレース活動をノーマルのルノーで参加しながら新しい車の構想を練り、アルピーヌ社を1955年に設立しました。そして最初のアルピーヌ、A106が完成。その後改良を続け1962年のパリ・サロンで最初のA110シリーズがデビューしました。このイラストの1600Sのデビューはその7年後の1969年。エンジンや足周りなどにラリー中心の改良が加えられています。

A110のラリー界での活躍はめざましいものでした。1971年のモンテカルロ・ラリーの1ー2ー3位独占、チャンピオンシップの獲得をはじめとするWRCでのすべてのレースで勝利を納めたのです。A110シリーズの車はとても小型で女性らしい美しいラインを持っていながらフォグランプ等の補助ランプで武装した姿は「おてんば娘」と言う感じでしょうか。好きです、こういう車。もともと生産台数が少ないため現在ではコレクターズアイテムとして高いプレミアが付いていて、パーツ等も純正のものは手に入らないものも多いと聞きます。また、フランスの車のため、母国フランスからのパーツの入手にフランス語のなじみのない日本人はとても苦労しているらしいです。
このイラストの1600Sデビューの後に「グループ4」仕様の最強バージョンもでました。独特のフレア状のオーバーフェンダーやスポイラーなどを付けたものでこちらのイラストも機会があったら描こうと思います。