2002年 10月 某日
うちのアパートの階段にカマキリ君がいた。カマキリを見たのはひさしぶりである。子供の頃はよく捕まえていたけれど、最近はめっきり見なくなった。居るところにはいるのだろうが、ここあざみ野もどんどんと開発されていて、自然がなくなりつつある。
カマキリは子供の頃から昆虫の中では好きなキャラであった。カブトムシやクワガタのようにヒーロー的なキャラではないが、ちょっとキザでニヒルな感じが好きだったのだ。この写真のはまだ小さい子供だと思うのだけれど、小さい頃に捕まえたやつは全長15cmはあろう大きな緑色のやつでした。2匹捕まえて戦わせると、負けた方は勝った方に食べられてしまう。もともとカマキリは交尾したあと、メスがオスをこれから生まれる子供の栄養分としてだかどうかわからないけれど、オスカマキリを食べてしまう。人間で考えるとすごい事だ。オスカマキリは複数のメスカマキリに自分の優性な遺伝子をたくさん残そうという習性を持っていないのだろうか。優性に生まれたカマキリは交尾後もメスカマキリに食べられずに、うまく逃げる事ができるのだろうか。
しかし、生涯の目標である「交尾」を最後にして死するというのは、それなりの覚悟がないと出来ない事だろう。友達にも「俺、この夏体験しちゃった」なんて言えないだろうし、もし初めからわかっていたら、交尾自体するだろうか。それとも、そういう運命だから仕方がないと思うのだろうか。そういう潔いところもカマキリの魅力の一つである。
|